開催報告参加者インタビュー1

「商業界ゼミナールには上の立場の人が
良くしてくれる環境がある」
――受け継がれてゆく、公私にわたって息づく商業界精神

株式会社サンキュー 大西貴久さん

熱心な仕事人ながらプライベートでは映画鑑賞や読書を楽しむ。取材の合間に「特に好きな映画は『ブレイブハート』『ショーシャンクの空に』。子どもの頃、『幻魔大戦』っていうアニメ映画が好きで……」と懐かしそうに教えてくれた。

大西貴久さん

北陸・北海道を中心に家電量販店「100満ボルト」を展開する株式会社サンキュー。そこで営業部エリア長を務める大西貴久さん(42歳)は、商業界ゼミナールに通い始めて7年目になる。
店舗運営を統括する立場として、幅広い知識を生かしながら活躍する現在だが、意外にも学生時代は「勉強が好きではなかった」と語る。
「子どものときは川遊びしたり崖を登って遊んだりする野性児でした。小・中学生のときは授業参観があっても1人だけ黒板を見ていなかったり、大学時代はバイトに明け暮れ、卒業後に就職してから『本や新聞を読め』と言われても渋々だったり。まったくしょうもないでしょう(笑)」
真面目で誠実な印象ながら、大西さんにふいに茶目っ気を感じるのはこういうキャラクターがベースにあるからなのかもしれない。

転機は入社後に訪れる。大西さんは、20年のキャリアの半分を店長として過ごしてきた。
入社7年ほどで最初に店長を経験した舞鶴店は、スタッフの人数が少なく、当時は勢いで業務をこなしていたという。
「一番辛かった業務はお客様対応」と語る大西さんに「接客のことですか?」と聞くと、遠慮がちに首を振られた。
「クレームとは言わないようにしているのですが――いわゆる『ご意見』をいただくことですね。トラブルが起こる際、きっかけは店側にあります。買ったばかりのエアコンの水漏れがするとか、携帯電話の契約プラン説明での言った言わないとか。その時にどういう対応をするかが肝心。そこで誤った対応をしてしまうと、更なる問題に発展してしまう」

若さと勢い任せはもう終わり
人材教育に注力すべく商業界ゼミナールへ

若かりし大西さんが現場で叩き上げられ、店長としてステップアップするべく次に任された旭川店は80人のスタッフを抱える大所帯だった。
「これは若さと勢いだけではやっていけない、店舗運営の方法から社員教育に至るまできちんと学ばなければならない、と自覚しました(笑)
少しずつ勉強をするようになっていた頃、先代の社長に『商業界ゼミナールに行ってみては?』と勧められました。人材育成に力を入れたいと思っていた時期だったし当時の同僚も一緒に参加してくれるということだったので、すんなり参加に踏み切れました。でも、会場では知らない人ばかりで緊張しましたね」

当時の社長には「会場では同僚と会うな」と言われていたので、自らいろいろな人に声を掛け、積極的に名刺交換をした。
古くから商業界と関わり商業界精神を深く理解しているエルダーやチューター、講師などにも自ら話しかけてみると快く応じてくれ、教えを乞うと夜遅くまで付き合ってくれたこともあった。
参加を重ねるにつれて、商業界ゼミナールには上の立場の人が良くしてくれる環境があるのだなと思いました。初参加だからといって臆する必要はない。
株式会社ニチイの創業者であり商業界のエルダー、そして大谷派浄信寺副住職も務められている西端春枝先生のお話は、いつもすっと心に染みてきます。人間としての土台に響くお話をしてくださるんです。
95歳当時の西端先生が『年齢を重ねると勉強しても覚えていられない。しかし、水のかすほどでも残っていればいいと思って毎日勉強をしている』とおっしゃっていたのには心底感動しました」

商業界ゼミナールは商売について学ぶ場だが、その講義内容は「損得よりも先ず善悪を考えよう」などの商売十訓に代表される商業界精神と呼ばれる理念に沿ったものであり、一般的に利益や合理性のみを追求するビジネスセミナーとは毛色が異なる。
「売上げを上げる技術は巷にたくさんある。けれど僕はそれ以上に、人として自分はどうだろうと反省しながら仕事をすることを大切にしています。その姿勢は社員・スタッフにも伝わるはず。そういうことを学べる場だからこそ参加し続けています」
これだけ熱心に商業界ゼミナールに参加してくださる大西さんだからこそ、我々運営にも鋭いご指摘をしてくださるのではないかと水を向けてみると……。
「もっとネームバリューのある講師が来てくれたらなあ、と思うことはありますね(笑)
セブン&アイの鈴木敏文さんが出てこられたりしたら、小売業に携わる者なら誰だって『おっ、行ってみようかな』ってなるでしょ?前回のゼミナールでは『ペップトーク』の岩崎先生なんかは、存じ上げない方だったけど聴いてみるとすごく感銘を受けたし、商業界ゼミナールではそういう講師の先生をたくさん揃えていらっしゃるけど、もっと新規の方にアピールしていかないと」話し続けるうち、大西さんの口調はヒートアップしていく。
み、耳が痛いけれど傾聴に値するお話で……。第87回商業界ゼミナールに是非とも生かさせていただきます!

勉強嫌いの面影なし!
今では公私にわたって頼りにされる勉強家

大西さんのノート
大西さんが商業界ゼミナールで学びながらとったノート。どのページも几帳面な字でびっしりと埋め尽くされている。

最後に大西さんは、文字でびっしりと埋め尽くされた分厚いノートを見せてくれた。
勉強嫌いの面影はみじんもない。むしろ同僚からは勉強家としての信頼厚く、「最近観た映画や読んだ本でおもしろかったものを教えてほしい」と言われることが増えたため、映画や本の感想をまとめたメルマガを配信しているほどだ。
後ほど記者にも3月分のメルマガを送ってくれたが、本は8冊、映画は7本に及ぶレビューの記載があり、全部で2300文字の大容量。忙しい方への配慮か、紹介した本と映画の一推しについても記載がある。
こういう気遣いやさりげないサジェスチョンから、管理職として日々スタッフに気を配り、目を掛けながら働いている大西さんの普段の姿勢が垣間見える。

実務的な知識や技術以上に、商いを通して人生の学びを深めている大西さんらしく、メルマガに「読書が役に立たない、新聞を読んで何かなっているか?という人がいるが、即効果があるものではないのかもしれない。が、その積み重ねで、人生を豊かにするものだと思う。自分の為、一緒に働くメンバーのために教養を身につける必要があるとともに、人徳を磨くためにも必要なことではないでしょうか」(原文ママ)という文章があった。
商業界ゼミナールで学んだことはスタッフとの何気ない会話や相談事を受けたとき、会議中に意見を求められたときなどに自然と生かされているという。身につけた教養と人徳が大西さんの日常業務で発揮されているということだろう。

仕事ばかりでなく、最近の一番の楽しみ、4歳の息子と遊ぶときに西端エルダーが掛けてくれた言葉を思い出すこともあるそうだ。
「子どもがまだ理解できなくても、大切なことは何度も言って聞かせなさい。その子が大きくなったときに、親父が言っていたのはこういうことだったのか、と分かるときが来る」――人を育てるという意味では、子育てのみならず大西さんが熱心に取り組んできた人材育成にも役立つ訓示だ。
商業界ゼミナールで得た知識と気付きは、大西さんの公私にわたって息づいている。

会社概要

株式会社サンキュー
代表取締役社長 道法 一雅

本社事務所 福井県福井市新保北1丁目601番地
公式ホームページ http://www.100mv.com/