M&A業界動向 ドラッグストア


ドラッグストア業界基本情報



業界定義

医療品、化粧品、日用雑貨(日用家庭品、文房具、フィルム、食品)を取り扱う小売店舗

(日本チェーンドラッグストア協会による)

市場規模

総店舗数は15,971店、総売上高は5兆4430億円

(2009年度、日本チェーンドラッグストア協会調べ)

成長率

総店舗数は2%増、総売上高は4%増

(2009年度、日本チェーンドラッグストア協会調べ)

業界シェア 上位10社で30%強のシェアを占めている。


5.4兆円

 




4%増

 
主な上場企業(時価総額順: 2010/04/12 現在)
コード 企業名 時価総額
9989 サンドラッグ 1,558億円
7649 スギホールディングス 1,451億円
3088 マツモトキヨシホールディングス 1,156億円
3391 ツルハホールディングス 813億円
2664 カワチ薬品 448億円

ドラッグストア業界分析



 オーバストア状況の常態化。M&Aによる業容拡大を図り、仕入れ力の向上などスケールメリットを享受。


 2009年6月に薬事法の改正により市販薬はリスクの高いものでなければ薬剤師がいなくても各都道府県の試験合格者である「登録販売者」となれば販売が可能となった。その結果、コンビニ、スーパー、家電量販店など他業態がドラッグストア業界に参入したことで、競争は更に激しくなっている。


 ドラッグストアで取扱う主力商品のうち、日用雑貨、食料品等は既に成熟市場である。一方、高マージンの医薬品、化粧品の比率を高めることで、1店舗あたりの売上高を伸ばしている。なお、ドラッグストア業界の世界一企業は、米国のウォルグリーン(537億6000万ドル)である。日本国内のドラッグストア業界は4〜5兆円規模といわれているが、第1位のマツモトキヨシホールディングスが3922億円、と寡占化は進んでいるものの、まだまだ再編の余地はあると言える。


ドラッグストア業界のM&A動向



 ドラッグストア業界は、積極的なM&A戦略により上位寡占化がすすんでいる。二大勢力となっているのが、マツモトキヨシホールディングスとハピコム(旧イオン・ウエルシア・ストアーズ)。直近でもマツモトキヨシホールディングスはミドリ薬品(鹿児島:2009年12月)や中島ファミリー(長野県:2009年12月)の完全子会社化、ローソンとの新業態店舗の運営に関する合弁会社の設立(2010年5月予定)、ハピコムはサクラドラッグ(東京:2010年3月)やイレブン(大阪府:2010年3月)を完全子会社にしている。その他、富士薬品グループ、サンドラッググループ、WINグループなども子会社化、業務提携、FC展開など様々な形で合従連衡の動きを進めている。


 一方、地域密着型の中堅ドラッグストアは、薬事法の改正によりナショナルチェーンvs地元企業という構図に加え、異業種からの参入に伴う競争激化により今後の経営の舵取りが難しくなる。最終的には、スケールメリットを享受するために他社を傘下に収めるか、自社が大手グループの傘下に入るか、二者択一になるだろう。


ドラッグストア業界における企業価値の目安



 損益面では上場17社全てが直近決算では営業黒字となっている。一方、財務面に目を向けると、敷金保証金、建物建築費、店舗用什器等、出店のための固定資産投資がある程度必要であるため、借入が預金を超過している企業も多い。


 EV/EBITDA倍率は平均で5.03倍で、分布としては4倍代後半が多い。


 地域密着型のドラッグストアがM&Aを進める場合、売上・利益、資産内容など財務面も大切だが、エリア、在庫を管理している情報システム、従業員の構成(資格の有無など)も重要な検討項目といえる。