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消費不況を吹き飛ばす?!アバクロの甘い思惑  


個性的な衣料品店!アバクロンビー&フィッチ
美男&美女の販売員と香りで金銭感覚マヒ?

 昨年12月15日、東京・銀座中央通り沿い、松坂屋のほぼ対面に、アメリカの高級カジュアル衣料品専門店アバクロンビー&フィッチ(以下、アバクロ)が満を持してオープンした。当日は100人以上の行列ができたものの、H&M銀座店のオープンに比べると静かな印象であったが、消費不況が叫ばれる昨今であっても、まだまだ、消費者のファッションへの興味はうせてはいない。
 さて、同店に入るとオリジナルパフュームの香りが店内に漂っている。なんとも甘く、リゾートに来たかのような和やかな気分にさせてくれる香りなのだが、この香りこそアバクロの秘密といっても過言ではない。この香りをかいでいると、不思議と金銭感覚が麻痺してくる感じがする。例えばマフラーなどファストファッションと呼ばれるSPA型のショップでは1000円前後のものが、アバクロでは7000円、約7倍だ。それでも、美男&美女の販売員に囲まれ、甘い香りが放たれる店内にいると、お客は価格を気にすることなく、買ってしまうのだ。
  ベーカリーのパンの焼ける香りや、コーヒー豆専門店の前におけるコーヒー豆を焙煎する香りなど、食品販売において、香りによる五感訴求販売は珍しいことではないが、アパレル業界において香りで自社のブランドイメージを築き、購買意欲を高めるというのは、まさに画期的。独自性と先進性のある売り方を提供していくことが、個性産業であるアパレル販売業のあるべき姿ではないだろうか?

(流通ジャーナリスト/金子哲雄)

※「商業界3月号」115ページに掲載。

【2010-02-08月刊「商業界」 編集部】

その時、買う気が起こった(山田文美/商業界3月号掲載)  

衝動買いを引き起こす仕組みの連続!

 看板の役目をした垂れ幕の目的は、自社前の道を行く車を駐車場に誘うこと。会場までの道に立っているPOPの目的は、会場につくまでに商品に対する興味を上げていくこと。会場入り口ドアの張り紙は、読んだ瞬間に「早くしないと売り切れちゃう」と思わせること。試食の目的は、美味しさを体感してもらい、まずは一個買ってもらうため。一個買った瞬間に「その商品はお得なんですよ」と一声掛けるのは、次の試食をしてもらうため。
 垂れ幕→POP→張り紙→試食→まずは一個買ってもらう→顧客行動を正当化するトーク→二回目の試食を勧めるトーク→次の商品を買う→試食の繰返しといったお客さま誘導が、ここにはある。
 この誘導を成立させているのはツールだ。一つのツールに目的は一つだけ。このシンプルさがお客さまを迷わせない。小さなツールに従っていくことで、気がつかずに財布を開いてしまうのだ。その結果、500円で始まった私の衝動買いは、なんと8000円にもなってしまった。
 お客さまをベルトコンベヤーに乗せて、流れ作業のように誘導していく仕組みがあれば、売上げは自動的に作られていく。そのために必要な物は、お客さまを迷わせない単純明快なツールだろう。
 さまざまなツール作成時に、その目的を単純明快なシンプルさで決めていくと、反応が得られる出来栄えとなる。一つのツールに目的は一つだけ。そうしたツールを並べることでお客さま誘導がうまく行くようになる。

(地域商店コンサルタント 山田文美)

※ 本編は「商業界3月号」122ページをご覧ください。

【2010-02-01月刊「商業界」 編集部】

 
 

編集長が語る今月号の読みどころ

 

月刊「商業界」10年3月号
不況下の店長へのエール

 
「たとえ水一滴でも無駄に流れたら、自分のお金が流れると考えられる人、すなわち経営者意識を持った店長が理想です」
 いずれの業態を見ても、売上高は前年比を割り込み、不況の出口は見えていません。顧客との接点である店がこれまでにない厳しさに直面していることは、皆さんが最も感じていることでしょう。
その中にあっても、「店」とはその企業の持つ可能性を実現する唯一無二の場所であり、「店長」とはその可能性をフルに実現するための存在です。
 冒頭の発言は、デフレ不況に向き合う現場最前線に立つ「店長」の使命とは何かと、ワタミの渡邉会長を取材した際に語られた言葉です。
 居食屋「和民」など約600店舗を数える外食事業はじめ、介護、中食、農業などを事業展開する1000億円企業グループ「ワタミ」は1984年、渡邉美樹氏が24歳のとき、ある飲食店フランチャイズチェーンの加盟店から出発しています。どんな企業であっても流通・サービス業というものは、一つの「店」の一人の「店長」から始まるのです。
 「店における人・物・金という経営資源を駆使する中で、最大利益、最大価値を生み出していく、というのが店長の仕事です。店長は一国一城の主。最も速く経営を学ぶ方法は何か、最も早く実力を付ける方法は何かというと、それは間違いなく店長になることです」
 いま、店長として業務に取り組む人、そしてこれから店長になろうとしている人にとって、この不況は大きな試練に違いありません。しかし、不況は商人を鍛え、本当の力を身につける機会を与えてくれます。
 今月号では、「できる店長の不況突破術」として、注目企業の優秀店長がどのように日々の業務に取り組んでいるかを特集しました。
 不況下の店長へのエールとして、ぜひお読みください。
 
【2010-02-01 月刊「商業界」 編集長 笹井清範】
 
 
 

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