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株式会社商業界

 
 
商業界ゼミナールとは
 

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商業界ゼミナールとは
当社が他の出版社と大きく異なるのは、雑誌や単行本の出版事業のほかに、セミナー事業(組織的には「教育事業部」という名称です)を展開している点です。
特に毎年2月に開催している大規模な商業界ゼミナール(通称「2月ゼミ」)は、セミナー事業の柱であるばかりでなく、当社の精神的なバックボーンともなっています。
 

正しい商いに踏み出すための「商人の道場」

雑誌「商業界」は昭和23(1948)年、第2次世界大戦前に雑誌「商店界」の編集長をしていた倉本長治の仲間と熱心な読者が、戦後の新しい時代の中で、新しい商業や経営のあり方を伝えていこうと創刊されたものでした。
昭和23年といえば、まだ焼け跡闇市の時代。荒廃したままの生産、激しいインフレ、飢餓線上の生活、犯罪の多発といった混乱が続いていて、とても新しい商業など実現できる状況ではありませんでした。
このため、商業の復興に燃えていた一部の商業者から熱烈な支持を得たものの、雑誌の方は全くといってよいほど売れませんでした。創業者たちの持ち出しでなんとかしのいできた経営も、次第に財政状態が苦しくなり、昭和25(1950)年には「年が越せない」状態に陥っていました。

このとき公職追放(戦前戦中に社会的責任のある地位に就いていた人は、戦争遂行に協力したとみなされて、戦後、同様の地位に就くことを禁じられた)が解け、主幹兼社長に就任していた倉本長治は、活字に訴える以上に人と人の直接的なコミュニケーションが理解を得る早道だとして、セミナーを企画しました。セミナーにはまた、予約金で前金を集められるという経営的な利点もあったのです。

それが昭和26(1951)年2月、箱根の塔ノ沢の「一の湯」という旅館で開かれた第一回の商業界ゼミナールでした。何しろお金がなかったために、倉本自らが何もかもやるという有様で、それを見かねた副社長の新保民八が病気療養中だったにもかかわらず講演を買って出たというエピソードが残っています。

第1回の参加者は120名でしたが、金さえ儲かれば何をしてもよい式の商売から、「お客のための正しい商いに転換しよう」という倉本や新保らの主張は、大変大きな反響を呼びました。
その後も岡田徹、日下静夫らが講師に加わり、すべてのお客に対する公平公正な商い、現金正札販売(掛売りをせず、計数管理の徹底で利益を押さえ、最低の価格を常に維持すること)、嘘や隠し立てのない経営、パートナーとしての社員の育成といった、後に「商業界精神」あるいは「倉本イズム」と呼ばれるようになった正しい商いの理念は、急速に商業者の間に支持を広げていったのです。

また、各分野の専門講師も増え、講義もバラエティ豊かに充実していきました。しかし、それ以上に商業者を強くひきつけたのは、参加者同士が体験を披露し合ったり、悩みを相談し合ったり、講師や先輩を囲んで正しい商いの在り方や商人としての生き方を議論したりする、参加者同士で学び合う「商人の道場」であったことでした。当時の熱気はすさまじく、ある週刊誌に新興宗教と間違われたほどです。ゼミナールの期間中ほとんど寝ずに勉強したという参加者が珍しくなく、「箱根に行くと商人としての覚悟がすわる」といわれていました。参加者は年々増え続け、早くも昭和30(1955)年に1000名を超え、最盛期の昭和50年代には3000名近くにも達しました。
 

大手企業、有力店のトップを輩出する

こうして当社の基礎を築いた商業界ゼミナールですが、一出版社が開催する勉強会という域をはるかに越え、戦後日本の商業近代化運動に主導的な役割を果たしました。それは公平公正な商い、現金正札販売、あるいは昭和30年代に入って盛んに唱えたセルフサービス導入、チェーンストア化、スーパーマーケットづくりといった主張が、それまでの商業を否定し変革を推し進めるものだったからです。
これらに共鳴した革新的な商業者が、各地で既存勢力と激しい戦いを繰り広げ、その中から今日の各業態の大手企業や各地の優良店が育ってきました。「あなたの店がお客を愛し正しい商いをしているのなら、あなたの店が増えることがお客の利益になるのだ」(新保民八)。その点では、商業関係の指導的な立場にある人で、商業界ゼミナールに一度も触れたことがない人はいないといっても過言ではありません。
また商業界ゼミナールでは、そうした革新的な商業者が手をつなぐきっかけともなりました。倉本長治が日本専門店連盟や各地の専門店会の設立に尽力したのをはじめ、日本の代表的なボランタリーチェーンの多くがここから生まれています。また、4社が合併して生まれたニチイ(現マイカル)の合併記者会見はゼミナールの会場で行われましたし、ジャスコ(現イオン)も参加者の中から誕生した企業です。

商業界ゼミナールは現在も「店は客のためにある。店員(従業員)とともに栄える」という正しい商いの実践と普及を目指す、商業者の研鑽の場として開催され続けています。
 
 
 
 
 

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